※今日は18禁PCゲームの話です

※ネタバレが全くないわけではない

※真面目です




【更新履歴】
3/6 記事作成
3/8 全体のランク付け直しによる総合ランクの変更




【概要】
――あなたの劣等感に、他人を巻き込まないで
i10

発売日:2014年2月28日
フロントウィング発売
公式サイト

友人との協議(2ツイート)の結果、今回から総合以外にランク付けしない方針に。
あと特筆することがない箇所は項目自体除外。




【ストーリー】
「芸術家には2種類のタイプがいる。 表現したい者と、伝えたい者だ」
 
――そのどちらも、俺は捨てた。
 
俺、七海航 (ななみ わたる) は一切の過去を隠し、芸術とは無関係の学園生活を送っていた。

――だというのに、家庭の事情で芸術学園に転校することになってしまった。

全寮制の学園で俺が入ることになった寮――“ドリーム荘”
そこには知人他人含めて、4人の同居人がいた。
同級生で何を考えてるのか分からない水彩画家・綾代かがり (あやしろ かがり)。
3年ぶりに再会した義妹、声楽を専攻している 七海雛子 (ななみ ひなこ)。
ほんわか系幼なじみ、立体造形を専攻している 御堂このか (みどう このか)。
半分商業プロ作家(エロ含む)、文芸学科の 逢坂鼎 (おうさか かなえ)。
芸術家ってヤツは (その卵も含め) かなり変わってるヤツばかりで、一癖も二癖もある彼女たちと俺の、ひとつ屋根の下での生活が始まった。



【構成】
i3
死ぬほどわかりやすい分岐。

前作に引き続き共通で全員と一回ずつエロあり。
エロから始まる純愛です。
個別の尺は全員ほぼ一緒で格差なし。




【シナリオ】
「前作の焼き直しっぽい」→とんでもない。
前作は単に変態要素に特化した萌えゲーだったけど、今作はシナリオに一貫したテーマがあってしっかり成り立ってる。つまり結構読める。
芸術関係の話であり、創作の話でもあって、創作やってる人間からするとちょっと来るシーンもある。ほとんど初歩的なことだけど、初歩だからこそ改めて胸に響く。

逆に前作の延々と続いた狂ったノリと満載の下ネタは比べると控えめに(※あくまで比べるとでありそのへんの作品と比べると相当おかしい)
これをパワーダウンと取るか、バランスが良くなったと取るか。
個人的にはさじ加減がかなり良くなったなと。
前作がずっっっっっっっと下ネタ進行で途中からマンネリしてたので。 

とてつもなくエロゲらしいエロゲであり、でもその中でも細かい部分で王道から外しておりマンネリを防いでる。なんだろ、しかもそれがすごい意図的なので実はメタい。「あー、これわざとだな」っていう。そこが面白いし上手いなーっていう。

登場人物はほとんどが各芸術分野で優秀なのだけど当然どう優秀なのかは描写されない。まあこんなんは読み手の想像に任せるに限るので正解。
ただ、その中で主人公の○○○(共通の後半でわかるし大したアレじゃないので伏せなくてもいい気はするけど一応)だけはシナリオライターの技量でしっかり描写している。これがね……主人公の○○○は賞も取ってて、世でも人気という設定なのだけど実際にライターが書いた○○○を見るとやっぱりうーん、ってなっちゃう。
まあ演出として割り切るしか。

しかし前作は変態志向で突き進んだから問題なかったけど、今作は微妙な真面目さでちょっと多めのエロシーンなのでシナリオに苦悩が見える部分もあった。
特に共通での全員とのエロは今回のノリなら無理に入れなくてもよかったかも。キャラクター的にもちょっと違うかなと思うし。現にそれで各ルート突入時の整合性は取れておらず、それ以外でも「あ、これエロシーン入れなきゃいけなかったんだな。しかもそれで後々整合性取れるように頑張ってるわ」ってのがありありとわかる。




【キャラクター・個別】
・このか
幼馴染なので弱キャラ……じゃない!
美味しい立ち位置で引き立て役でもない。正妻オーラすごい。
ところどころ主人公や母親の莉乃ちゃんがめちゃくちゃ言ってるんだけど最終的な伝えたい部分は明確だったので良し。なんか最近器用になってきたのか、この手の「悪い部分はひとまずスルーして、大事な部分は胸に刻む」というのが上手くなってきた。こうなってくるとよほど酷くない限り大体のエロゲが楽しめるのでお得。
萌えゲーのシナリオの面は正直いくらでも切りようがあるし、いくらでも難癖付けられるからなおさら。
ただこれも悪い部分ってのが『主人公』だったり『オチ』だったりするとさすがに辛い。
にしても、このかルートの掛け合いはテンポ良くていいなぁ。4人いるライターさんの内誰なのか非常に気になる。


・雛子
過剰なブラコンで義妹なので強キャラ……じゃない!
ルートに入らない限りは基本ネタキャラで引き立て役。今どきの妹キャラじゃ考えられない待遇で満足(?)した。
もちろんルート入れば優遇なので安心。


・鼎
性的なお姉さんキャラ。
めずらしく好きかもしれない。
メガネかけた時のオーラが素敵すぎる。
共通エロを上手くまとめた感じなのだけど、もう少しイチャイチャ欲しかった感。
ギャップ萌えの王道でよきかな。


・かがり
ひたすらロリに諭されてるだけかよー、と思ったら途中で持ち直してビックリした。萌えゲーはあんまり評価が覆らないことが多いので。
それでも一番イマイチだったかも。
他ルートだと主人公は結構カッコよくて、かわいい奴って印象だったんだけど、かがりルートでは典型的なちょっと思考の気持ち悪い童貞キャラ(要するにエロゲの主人公)に成り下がってたので違和感。まあでもこれこそ等身大か……。
ところどころ惜しい感じもした。
「おかえり、きらる」の下りなんかは素晴らしいのでもう少し過程がどうにかなってれば。
あとオチが○○○ルートと同じじゃないか!逆に言うとあっちもかがりルートと同じ。


・主人公
まあ良いんだけど、主人公の苦悩ってわかるようでわかんないよね。
なんの才能のない一般人ならまだしも、賞も取ってて、まわりの人間に認められてもいる。
それをそのへんの中高生の黒歴史と同列に語っている節があるのがいけない。

 


【絵・演出】
i9
CG綺麗だし、SDも可愛いし、演出も凝ってる。
特に演出はこだわりが見えて◎
やっぱ見えるこだわりは大事。



【BGM】
ベタだけどサントラ買おうかなと思うくらいには。
ED曲はいいと思う。



【システム】
フロントウィングなのでしっかりしてます。
痒いところまで手が届いてる。



【エロ】
1人7回のハーレムでプラス2ずつ。
前作とあんま変わらないかな?と思ったら前作は少なくて8回、多くて11回。
このへん見てもガールシリーズと銘打ってるけど路線を少し変更したのがうかがえる。
しかし塗りはエロいし、シチュエーションも多彩で優秀;;



【余談】
昨年はあんなに鬱陶しいと思っていた萌えゲーが楽しい。
「萌えゲーばっかで業界が衰退してる」なんて超にわか発言してたこともあったけど大撤回ですね。むしろ今、大作が出てきてもヤル気しない。もっと良い萌えゲーをくれと心が叫んでる。と同時にそれだけ心が疲れてる。
多分そういうこと。



【統括】B+
i13
期待値/実際値:55/70


期待より全然よかった。ほどほどの密度に変にひねてないエロゲらしさ。
シナリオの項目にも書いたけど創作がテーマなのでためになるじゃないけど、身に染みる部分があったのも大きい。

全体的にテンションが高く、そのへんのエロゲと比べても十二分に高いので肌に合うかどうか確かめるためにも体験版推奨。
今さらだけどこの「体験版推奨」って言葉ズルいくらいに便利だな。というかズルい。
下ネタ満載なんで向き不向きはあると思う。
自分は精神年齢低いんで下ネタが多いほど喜んじゃう。



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