※今日は18禁PCゲームの話です

※ネタバレが全くないわけではない

※真面目です




【更新履歴】
4/2 記事作成




【概要】
――千々の撒かれたパズルのピース。優しく、配列されますように
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発売日:2005年8月12日
    2007年11月30日(フルボイス版)
    2012年7月26日(PSP版) 

ザウス(純米)より発売

DMMでフルボイス版(2757円)を買いました。




【ストーリー】
――彼らはいつも7人だった。

少年「貴宮 忍」。
彼には、幼いころから心を許している友人が6人いた。

放課後、町外れの廃工場が彼らのたまり場。
彼らにとってその場所は、誰にも邪魔されることのない空間。
家庭でも世間でもない安息の場所であり、
《聖域》だった。

人と人は傷つけ合う。どんなに親密でも衝突は避けられない。
しかし、たとえ接触が傷つけあいだとしても、
それは相手が実在することの証拠となる。
だからこそ生身の絆はかけがえのないものとなるのだということを……

7人の間で繰り広げられる、理解と共感、反発と衝突。
そして思春期の淡い恋愛感情。
永遠に続く友情。

そんなまどろみのような幸せの中に、ずっといられる―――はずだった。



【構成】
ヒロイン4人を二度ずつ攻略後に最終ルートへ。
ただ読み進めると最初の朝をひたすらループするが、文中のリンクをクリックすることで各ヒロインのルートへ派生。

ほぼ一本道な上に各ヒロインの結末部分や核心に触れる部分では「503 - service unavailable」と表示され肝心な箇所は明かされずカットして進むか、ループして一番最初に戻る。
なので序盤は読み進めるほど謎が積み重なっていく。 というか言ってしまうと最後の瞬間まで謎はおそらく解けない。(一応謎を解く材料は途中でそろうものの難解)

途中で評価を下せる作品でない点に注意。 



【シナリオ】
ものすっごい人選ぶ。
特にこの手のがっつりとしたシナリオゲーが減った今となっては余計に。

中盤からものすごい勢いで場面が飛ぶし、意味深なシーンが連続する。
時系列だけの問題なのか、なにか超常的なことが起きてるのかはプレイヤーにはわからない。 
整合性が取れてないシーンが来ることもあるがその間が抜けているのか本当に整合性が取れてないのかどうかもその時点では定かではない。 
手抜きだとか、未完成だとかではなく演出なのだけどここで混乱して「なにこれ?」ってなる人は多そう。
ここが二番目に人を選ぶ部分だと思う。 

このぶつ切りの飛んだ構成は結構すごい。
前半が丁寧にキャラクターの性格、関係、背景を描いてるのでギリギリ読み手にその間のことを想像ないし予想させられる程度の飛び具合になってる。 絶妙。ここを想像したり予想しようとしたりする人にはこの作品は面白いと感じられるはず。

そして敷居が一番高いのは哲学的、観念的な内容。 
これに絡めた登場人物の悩みなので付いていけない人は一生付いていけない。
けどまぁ一般でもありうる思春期の悩みを昇華させた内容なのでその手の知識がないとわからないってことではない。どっちかと言えば感受性の問題。
それ以外だと独自設定が濃く、説明されても理解が追い付かない部分もしばしば。 
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全体的に1から100までは語られない。
主人公たちの過去にしても細部までは明記されてない
が、あまり語りすぎてないのが良いのかもしれない。
ノベルゲームは『情報』と『想像』をどれだけ読み手に与えるかのバランスが大事なのだけど自分はこれくらい『想像』の要素が強い方が読んでて楽しめるので好きだ。

最後まで読み進めると謎は解ける。
が、考察は必須なレベルであり懇切丁寧という訳でもない。
最終ルートが終わって、ED流れて、CGが埋まっていようとも、もう一度各ヒロインのルートをやることをオススメする。きっと一週目とは全く違う印象が持てるし、そこでようやく細かい繋がりが理解できるはず。




【キャラクター・個別】
なにはともあれ7人の仲の良さが魅力。
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男キャラがフューチャーされてるエロゲは楽しい法則な。

哲学要素を含んで難解なのは確かだけど、それ以上に会話劇が楽しく、青春物としても成り立ってるので「わからなくても楽しい」の領域。
7人のキャラ立ちと役割分担には唸る。
「本当にコイツら仲良いんだなぁ」と、一人でも欠けると物足りなくなるあたり自然な関係だ。
 
それだけに最終ルートはこの7人の話から離れ、
独自解釈の内容で話が進むのでちょっと苦痛ではあった。
つまんない訳じゃないけど前半の『聖域』の心地良さに慣れてしまうと少し。
このへんは主人公と気持ちが同期しててよかったのかもしれないけど。
 


【BGM】
良い。サントラ買う。
この項目いつもサントラ買うか買わないかしか言ってない。



【エロ】
古い作品なんで、といったところ。
一部エロシーンには伏線がちょっとあるのでCtrlキー押さない方がいい。



【統括】S
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期待値/実際値:80/90

読み手にあんまり優しくないけど極めてすごいの一言。
実はあまり解決してない話であり、なんとも無力さを感じてしまうけど綺麗に終わってる。
昔の作品のこういう無情さは好き。
ADVにはめずらしい秋を季節に選んだだけあって切なさがよく出てる。

やっぱり男キャラがいると緩急がつく。
それだけで飽きが来ないからうまくサブの立ち位置で男が書けるなら強い。

この作品はエロがない方がラストがスッキリする可能性があるのでPSP版でもいいかもね。

ともあれ田中ロミオ先生の発想、手腕、知識量、遊び心には脱帽。
すごいわ、この人。アンテナがあまりに広いし深すぎる。
ユメミルクスリも面白かったし、これはいい加減『CROSS†CHANNEL』もやらなきゃなぁ。
 


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