※クリアしたので軽く感想

※ネタバレが全くないわけではない 

※あんまり良いこと書いてないです



 






















思ったより感想が浮かばない。
つまらないわけじゃないけど、あんまり心に残らない。
よく出来ている部分もあるんだけど、全体的に台詞回しが微妙に感じた。
というか全体的に少しずつイマイチなのかもしれない。
気遣いの足りない台詞回しに始まり、キャラの掘り下げが明らかに足りなかったり、妙に物わかりの良い場面と悪い場面があったり、そのトリック使うならもっと伏線貼らなきゃダメだろとか、一般人がアホすぎたり、とりあえず入れてみたみたいなエピソードがあったり、肝心なところで緊張感のなさが出ていたり、読んでいて定期的に「これどうなの?」とつまづく。
もともと逆転裁判シリーズ自体、はちゃめちゃな部分は多いのだけど、でも変なところでリアリティがあって、エキセントリックなキャラクターたちにも感情移入ができるものだった。
そういうシュールな世界観も、5からはそれをはき違えてる印象。
キャラクターにしても微妙にリアリティがあるところに登場した『シュール』ではなく、とにかくキャラを尖らせただけの『おふざけ感』が強く出ている。今作も例にもれずそれ。

このシリーズは5からシナリオ担当が変わっており、4でちょっとこけたせいもあって旧キャラの扱いは一層丁寧。
久しぶりに登場した真宵ちゃんは、まぁ頑張って書かれていた。過去作とそこまで乖離もしちゃいない。だけど28歳っていう設定であのキャラだと痛く感じた。
もっとも痛い、痛くないは個人の感じ方だし、かわいいと感じる人もいると思う。旧来通りの振る舞いはファンサービスとしては正しい在り方でキャラは保てているのかもしれない。でもこれじゃあ想像力をまるで使ってない。そのまますぎる、というのが個人的な正直な感想。10年も作中で月日が流れたのだからもっと変化が見たかった。
それでいて終わってみると真宵ちゃんの必要性はギミックとしてはあるけれど、ストーリーとしては薄めだ。
これ以外のところでもキャラクターの動かし方、使い方がパーツ的。
キャラと共に物語が動いておらず、脚本だけでしか話が動いていない。
シナリオのやりたいことがわかるだけに、それが透けて見えてどことなく冷めてしまう。
だから感情移入がしづらかったのかもしれない。

逆に良かった点は話のギミック。
トリックの仕掛け自体も良い。
最終話は相当クレイジーで濡れた。
(ナンセンスな部分も結構あったけど)
だから説明不足だったり粗が目立つのが非常にもったいない。
それを隠すような作りにもなってない。
やはり全体的に見せ方の問題で惜しい感じ。

まだまだ旧キャラたちは『借り物』状態だ。
真宵ちゃんが顕著だけど、旧キャラたちは旧作の一番良かったときのキャラクターで再現される節がある。そうやって頑張って綺麗に返そうとしている。
対して5からまともに掘り下げが始まったオドロキくんや、5からの新キャラのココネあたりは独自でキャラが立っていて普通に良いので、やっぱり旧キャラや旧ストーリーの擦り合わせで苦労しているのだと思う。
旧作が偉大すぎてのファンサービス。
これによる歪みは5の時点で感じていたけど、それが一層強くなった印象。
かと思えばナルホドくんの振るまいでガッカリする箇所が三か所もあり、ちょっともうわからん。

しかし総評としては非常に困るもので、物語のヒキは強く勢いは旧来通り健在なので『つまらない』と言い切れるものでは決してない。
なまじ良い部分があるだけに「ああもう……!」みたいな。
書いていていつもより口調が冷たいので多分そこまで気に入った作品にはならなかったんだと思う。