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PCゲーム感想置き場とたまにチラ裏

カテゴリ: PCゲーム感想

※今日は18禁PCゲームの話です

※ネタバレが全くないわけではない

※真面目です




【更新履歴】
4/3 記事作成




【概要】
――恋は受け身じゃ始まらない
rina

発売日:2013年6月28日
SMEEより発売
公式サイト

某所に投稿したものの再編集です。
初回プレイは発売日ですが今回軽く再プレイしてます(さすがに)
項目は少な目で。




【構成】
・プロローグ 
いわゆる共通。 
特に選択肢などはなく、ここで主人公を取り巻く環境やヒロインの紹介がされる。
次のフレンドパートにおいて誰を攻略するのかを決めるまでの時間でもある。 

・フレンドパート 
ここからはヒロインは自動的に現れることがなくなり自分から誰に会いに行くかを選択することとなる。 
その際に話題振りや遊びに誘うなどを相手の好みや好感度に合わせて選んでいく必要がある。 
(※難易度は低い)

・ラバーパート 
要するに個別。 
フレンドパートを通過できると上手くいった相手との恋人パートがスタート。

一見ゲーム性とか攻略性があるように見えるけど実質ない。 
よほど狙わないとバッドには行けない難易度設定で普通にやれば問題なし。 
これは付き合うまでの過程・会話劇をプレイヤーに委ねたロールプレイに過ぎないので「相手のこれを聞きたい」「俺ならこうする」というふうに自分の好きなように会話を振ってヒロインと仲良くなればいいよ、というシステム。
たったこれだけのことでも軽く選択制のある過程を踏むだけで感情移入度は大幅に変わる。 

最初は話しかけても反応が良くなく、振れる話題も少ない。 
けど仲良くなると反応も良くなって話題が増えるのは攻略してる感があって良かった。 

6月30日までに誰かに告白しなきゃいけないんだけど、選択肢が難しめのゆずゆと岬先輩でさえ6月4日の時点で告白イベントに持っていけたので本当に余裕。 




【シナリオ】
制作者が『安易な好感度MAXヒロインを作りたくない』と言ってたように付き合うまでの過程に力が入っており、久々に『恋愛シミュレーション』やってる気分になった。 

程よい「攻略している感」が本作の魅力。
フレンドパートにおける会話の種類は簡素なものとはいえ129種
今どきこれだけヒロインに細かい設定や価値観を付けてるところもない。

基本は萌えゲーなので目立った部分はないものの1キャラに割いてる恋愛描写が丁寧なので十二分に楽しめる。 
積み重ねがしっかりしてるせいか、『数年後……』系のエピローグって今まで置いてけぼり感しかなかったけど、この作品に関しては感慨深い気持ちに。 

主人公及び全体的にギャグ要素あり。 
合わない部分もあったけど概ね良かった。主人公もたまにアレなんだけど基本的には「やれることやって」しっかり頑張ってるので◎
萌えゲーにおける理不尽さって結局「不当にモテる主人公」だと思ってるので、このへんの気遣いというか、なんとなくでヒロインと結ばれないだけで高く評価したい。 
『好感度MAXヒロインがいない』ってのも実はヒロインに優しい。 
他のルートに入った際に間接的にフラれるのと一緒なのでこっちも心が痛まない。



【キャラクター・個別】
・陽茉莉
幼馴染キャラであるものの典型的な「朝起こしに来る」「お弁当を作ってきてくれる」などといった要素は皆無。小さい頃に遊んだっきりで今は疎遠。高校(※仮定です)にあがって久しぶりに同じ学校に通うことになり気まずい状態となっている。 
そこで『主人公のことが昔から好きで、今も実は好き』ということを仄めかすような描写もないし、実際ゲーム開始時点で陽茉莉が主人公を好きであるということはない。こちらから陽茉莉に関わっていかないことには陽茉莉がこっちに惚れるようなことは起きないのである。 

このへんはゲームコンセプト通り徹底していて良かった。 
幼馴染の欠点(?)である「最初から惚れているから他のルートに行くときは実質失恋させることになる」が解消されているのは大きい。 
後半でも言及されるけど「幼馴染だから好きになった」ということはなく、あくまで現在の主人公との関係から昇華していく。 

とまぁ自分が普段他の幼馴染キャラを攻略してて感じる痒い部分全てに手が届いたようなキャラで素晴らしい。



・理奈
クラスメイト&女友達キャラ。 
お互いに異性として意識してない中でどうなっていくか、みたいなコンセプト。 

良かったんだけど内容自体は順当だったというか、語るところはあまりない。
(悪い意味ではない) 
嫉妬の描き方はそれっぽくて良かったし最後にちゃんとオチが付くのが◎ 
なんか頑張れば泣けそうだったまであるEDを見る限り良い締めだったかと。

普段CVに触れない自分だけど、あじ秋刀魚先生の演技は良かった。
この人はやっぱりすごい可愛い声してる。 



・ゆずゆ
いわゆる暴力系&ツンデレ系に属するヒロインなため他ヒロインと比べると特に好感度も低く、反応も悪い。 
この手のヒロイン造形の中でも「良いな」と思った点が二つ。 

一つ目は「暴力は振るうけど主人公がそれを喰らうシーンがほぼない」 
主人公は身体能力に優れるのでヒロインが暴力を振ってきてもそれを避けることが出来る。アホみたいではあるものの、実際に暴力を喰らうのと喰らわないのとでは印象はまるで違う。 

二つ目は「デレたら主人公に対してはデレっぱなし」 
久々に見たかもしれない。『時間経過による心境の変化型ツンデレ』
付き合った後は気を許した主人公にはデレデレで、そのほかの周りに対しては相変わらず攻撃的……これぞツンデレですよ。 



・岬
学園のアイドルで高嶺の花。コミュ障系。

岬先輩だけ個人的にはちょっと残念。
なんというか普通のエロゲキャラと言った感じで他3人と比べると痒いところに手が届いていない。
全体的に「テンプレと見せかけて人間くさい部分もある」というギャップを感じる中で岬先輩だけは『無口コミュ障系』ヒロインの域を出ておらず属性で固められたキャラに感じられてしまう。
ただ世の人気は高いらしいのでなんかこれ、アテにならんね。




【統括】S-
himari

85点

名作的要素はないものの限りなくよく出来てる。
発売当時、というか今もそうだけど『好感度MAXヒロイン』に囲まれた作品群の中でこれだけは正しくギャルゲーをしており逆に新鮮味が強かった。市場の隙間を縫った作品かと。

今までやった萌えゲーの中じゃ一番好きだしオススメ。
初心者にもオススメだけど、萌えゲーに対してマジレスしがちでところどころ上手く楽しめてないことが多い自分みたいな人間(こういう奴はシナリオゲーだけやっとけとは自分でもよく思う)でも楽しめた。

欠点は今でも価格が高めなことなのかな。
中古でも7000円とかそういうレベルで「発売日から結構経ってて、特典なしで、萌えゲーに7000円以上はキツイ」って人も見かけるし気持ちはわかる。



他エロゲ感想 

※今日は18禁PCゲームの話です

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【更新履歴】
4/2 記事作成




【概要】
――千々の撒かれたパズルのピース。優しく、配列されますように
s6

発売日:2005年8月12日
    2007年11月30日(フルボイス版)
    2012年7月26日(PSP版) 

ザウス(純米)より発売

DMMでフルボイス版(2757円)を買いました。




【ストーリー】
――彼らはいつも7人だった。

少年「貴宮 忍」。
彼には、幼いころから心を許している友人が6人いた。

放課後、町外れの廃工場が彼らのたまり場。
彼らにとってその場所は、誰にも邪魔されることのない空間。
家庭でも世間でもない安息の場所であり、
《聖域》だった。

人と人は傷つけ合う。どんなに親密でも衝突は避けられない。
しかし、たとえ接触が傷つけあいだとしても、
それは相手が実在することの証拠となる。
だからこそ生身の絆はかけがえのないものとなるのだということを……

7人の間で繰り広げられる、理解と共感、反発と衝突。
そして思春期の淡い恋愛感情。
永遠に続く友情。

そんなまどろみのような幸せの中に、ずっといられる―――はずだった。



【構成】
ヒロイン4人を二度ずつ攻略後に最終ルートへ。
ただ読み進めると最初の朝をひたすらループするが、文中のリンクをクリックすることで各ヒロインのルートへ派生。

ほぼ一本道な上に各ヒロインの結末部分や核心に触れる部分では「503 - service unavailable」と表示され肝心な箇所は明かされずカットして進むか、ループして一番最初に戻る。
なので序盤は読み進めるほど謎が積み重なっていく。 というか言ってしまうと最後の瞬間まで謎はおそらく解けない。(一応謎を解く材料は途中でそろうものの難解)

途中で評価を下せる作品でない点に注意。 



【シナリオ】
ものすっごい人選ぶ。
特にこの手のがっつりとしたシナリオゲーが減った今となっては余計に。

中盤からものすごい勢いで場面が飛ぶし、意味深なシーンが連続する。
時系列だけの問題なのか、なにか超常的なことが起きてるのかはプレイヤーにはわからない。 
整合性が取れてないシーンが来ることもあるがその間が抜けているのか本当に整合性が取れてないのかどうかもその時点では定かではない。 
手抜きだとか、未完成だとかではなく演出なのだけどここで混乱して「なにこれ?」ってなる人は多そう。
ここが二番目に人を選ぶ部分だと思う。 

このぶつ切りの飛んだ構成は結構すごい。
前半が丁寧にキャラクターの性格、関係、背景を描いてるのでギリギリ読み手にその間のことを想像ないし予想させられる程度の飛び具合になってる。 絶妙。ここを想像したり予想しようとしたりする人にはこの作品は面白いと感じられるはず。

そして敷居が一番高いのは哲学的、観念的な内容。 
これに絡めた登場人物の悩みなので付いていけない人は一生付いていけない。
けどまぁ一般でもありうる思春期の悩みを昇華させた内容なのでその手の知識がないとわからないってことではない。どっちかと言えば感受性の問題。
それ以外だと独自設定が濃く、説明されても理解が追い付かない部分もしばしば。 
s3

全体的に1から100までは語られない。
主人公たちの過去にしても細部までは明記されてない
が、あまり語りすぎてないのが良いのかもしれない。
ノベルゲームは『情報』と『想像』をどれだけ読み手に与えるかのバランスが大事なのだけど自分はこれくらい『想像』の要素が強い方が読んでて楽しめるので好きだ。

最後まで読み進めると謎は解ける。
が、考察は必須なレベルであり懇切丁寧という訳でもない。
最終ルートが終わって、ED流れて、CGが埋まっていようとも、もう一度各ヒロインのルートをやることをオススメする。きっと一週目とは全く違う印象が持てるし、そこでようやく細かい繋がりが理解できるはず。




【キャラクター・個別】
なにはともあれ7人の仲の良さが魅力。
s5
s8

男キャラがフューチャーされてるエロゲは楽しい法則な。

哲学要素を含んで難解なのは確かだけど、それ以上に会話劇が楽しく、青春物としても成り立ってるので「わからなくても楽しい」の領域。
7人のキャラ立ちと役割分担には唸る。
「本当にコイツら仲良いんだなぁ」と、一人でも欠けると物足りなくなるあたり自然な関係だ。
 
それだけに最終ルートはこの7人の話から離れ、
独自解釈の内容で話が進むのでちょっと苦痛ではあった。
つまんない訳じゃないけど前半の『聖域』の心地良さに慣れてしまうと少し。
このへんは主人公と気持ちが同期しててよかったのかもしれないけど。
 


【BGM】
良い。サントラ買う。
この項目いつもサントラ買うか買わないかしか言ってない。



【エロ】
古い作品なんで、といったところ。
一部エロシーンには伏線がちょっとあるのでCtrlキー押さない方がいい。



【統括】S
s7

期待値/実際値:80/90

読み手にあんまり優しくないけど極めてすごいの一言。
実はあまり解決してない話であり、なんとも無力さを感じてしまうけど綺麗に終わってる。
昔の作品のこういう無情さは好き。
ADVにはめずらしい秋を季節に選んだだけあって切なさがよく出てる。

やっぱり男キャラがいると緩急がつく。
それだけで飽きが来ないからうまくサブの立ち位置で男が書けるなら強い。

この作品はエロがない方がラストがスッキリする可能性があるのでPSP版でもいいかもね。

ともあれ田中ロミオ先生の発想、手腕、知識量、遊び心には脱帽。
すごいわ、この人。アンテナがあまりに広いし深すぎる。
ユメミルクスリも面白かったし、これはいい加減『CROSS†CHANNEL』もやらなきゃなぁ。
 


他エロゲ感想 

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